スパイロメトリ(呼吸機能検査)の読み方|%肺活量・1秒率・FVCを図解

この記事の結論
スパイロメトリは、肺の「大きさ(吸える量)」と「気道の広さ(吐き出す勢い)」を測る検査です。
① 閉塞性換気障害(吐けない)1秒率(FEV1.0%)が 70%未満
② 拘束性換気障害(吸えない)%肺活量(%VC)が 80%未満
国試の鉄則:数値の丸暗記ではなく、「FVC(努力肺活量)」やグラフ(フローボリューム曲線)の意味を図でイメージできるようになることが合格への近道です!

看護師国家試験の呼吸器領域で、多くの学生が「アルファベットと数字ばかりで苦手…」と感じるスパイロメトリ(呼吸機能検査)。しかし、実は「どれだけ吸えるか」「どれだけ勢いよく吐けるか」の2つを見ているだけです。この記事では、丸暗記に頼らない指導で確実な点数アップへと導く看護師国試予備校「Meg」の講師が、FVCや1秒率などの用語の意味から、国試で差がつくフローボリューム曲線の読み方まで図解を使って分かりやすく解説します!
Aさん

「1秒量」と「1秒率」の違いが分かりません。それに、フローボリューム曲線のグラフ問題が出ると、どこを見ればいいのかパニックになってしまいます…。

講師

用語が似ているから混乱しますよね。「量(リットル)」なのか、「割合(パーセント)」なのかを区別するのがコツです。専門の看護師国試予備校が教える「山の形を見るだけの裏ワザ」を使えば、どの病態か一発で分かるようになりますよ。一緒に図解で見ていきましょう!

1. スパイロメトリの基本用語を図解でマスター

まずは、検査結果の用紙に書かれている重要な4つの用語を、グラフ(時間肺活量曲線)と合わせて理解しましょう。

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① 努力肺活量(FVC:Forced Vital Capacity)

胸いっぱいに息を吸い込み、「力いっぱい、最後まで吐ききった空気の総量(L)」です。単なる肺活量(ゆっくり吐く)とは違い、全力で吐き出させます。

② 1秒量(FEV1.0)

全力で息を吐き出し始めた時、最初の「1秒間」に吐き出せた空気の量(L)です。気道が広いほど、最初の1秒で一気に空気を吐き出せます。

③ 1秒率(FEV1.0%)

吐き出した全体の空気(努力肺活量)のうち、最初の1秒間で何%を吐き出せたかを示す「割合(%)」です。
(計算式:1秒量 ÷ 努力肺活量 × 100)

④ %肺活量(%VC)

年齢・性別・身長から計算した「予測される肺活量(基準値)」に対して、実際の肺活量が何%あるかを示します。肺の大きさが正常かを判断します。

2. 国試の鉄則!2つの「換気障害」を見極める

先ほどの「1秒率」と「%肺活量」を使って、患者の呼吸がどう悪いのか(換気障害)を2つのパターンに分類します。ここは国試で絶対に落とせないポイントです。

💡 換気障害の診断基準と代表疾患
  • 閉塞性換気障害(息が吐けない)
    基準:1秒率(FEV1.0%)が 70%未満
    理由:気道が細く狭くなっているため、最初の1秒で勢いよく空気を吐き出せない。
    疾患:COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支喘息
  • 拘束性換気障害(息が吸えない)
    基準:%肺活量(%VC)が 80%未満
    理由:肺が硬くなったり、胸郭が広がらないため、空力を十分に吸い込めない。
    疾患:間質性肺炎(肺線維症)、結核後遺症

3. フローボリューム曲線の「形」で病気を当てる

国試では、グラフの「形」を見せて疾患を答えさせる記述・状況設定問題が頻出です。縦軸が「息の勢い(フロー)」、横軸が「吐き出した量(ボリューム)」を意味しています。

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  • 正常なグラフ:
    一気に吐き出すため、最初は高い山ができ、その後は直線的に斜めに下がっていきます。
  • 閉塞性換気障害(COPDなど):
    気道が狭いため、息を吐く後半で勢いが急激に落ちます。グラフの右側が「下に大きくえぐれた形(下に凸)」になるのが特徴です。
  • 拘束性換気障害(間質性肺炎など):
    気道は広いので勢いよく吐けますが、肺が硬くて吸い込んだ空気の量自体が少ないため、「正常なグラフをそのまま小さく(ミニチュア化)した形」になります。

4. 国試によく出る!スパイロメトリQ&A

試験直前の総チェックとして、勘違いしやすいポイントをQ&Aでまとめました。多くの看護師国試予備校で落としてはならない必須知識として教えられる内容です。

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項目 内容
Q混合性換気障害とは? A閉塞性と拘束性の両方を併発している状態です(1秒率70%未満、かつ%肺活量80%未満)。重症のCOPDなどで見られます。
Q検査の前に指導することは? A「息が漏れないようにマウスピースをしっかりくわえる」「ノーズクリップ(鼻栓)で鼻をつまむ」よう指導します。
Q残気量(ざんきりょう)は測れる? A測れません。スパイロメトリは「口から出入りする空気」しか測れないため、肺の中に残っている空気(残気量)は直接測定できません。

5. まとめ:イメージで繋げて覚えよう

スパイロメトリの問題が出たら、以下のキーワードを頭の中で紐づけてください。

気道が狭い(COPD・喘息) → うまく吐き出せない → 最初の1秒の割合が減る → 【閉塞性】1秒率70%未満・えぐれたグラフ
肺が硬い(間質性肺炎) → 全然吸い込めない → 肺活量自体が少ない → 【拘束性】%肺活量80%未満・ミニチュアグラフ

理屈が分かれば、どれだけ複雑な表やグラフが出てきても自信を持って解答を選べるようになります!

実力チェック!確認テスト(全10問)

記事の内容が身についたか確認しましょう。各問題をタップ(クリック)すると、解答と解説が表示されます。

Q1. 胸いっぱいに息を吸い込み、力いっぱい最後まで吐ききった空気の総量を何というか。
解答:努力肺活量(FVC)
単なる肺活量はゆっくり吐き出しますが、努力肺活量は「全力で」吐き出すのが特徴です。1秒率を計算するための分母になります。

Q2. 努力肺活量のうち、最初の1秒間で吐き出せた空気の「量」を何というか。
解答:1秒量(FEV1.0)
単位はリットル(L)です。これが努力肺活量に対して何パーセントを占めるかが「1秒率」になります。

Q3. 閉塞性換気障害と診断される「1秒率」の基準値はいくつか。
解答:70%未満
最初の1秒で全体の70%未満しか空気を吐き出せない場合、気道が閉塞して息が吐きにくくなっていると判断されます。

Q4. 閉塞性換気障害の代表的な疾患を2つ挙げなさい。
解答:COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支喘息
どちらも気管支(気道)が細くなり、空気を外に押し出しにくくなる「吐けない病気」の代表です。

Q5. 拘束性換気障害と診断される「%肺活量(%VC)」の基準値はいくつか。
解答:80%未満
年齢や性別から予測される肺活量に対して、実際の肺活量が80%に満たない場合、肺が十分に広がっていないと判断されます。

Q6. 拘束性換気障害の代表的な疾患を挙げなさい。
解答:間質性肺炎(肺線維症)、結核後遺症など
肺胞の壁が厚く硬くなったり、胸郭の動きが制限されたりすることで空気を「吸い込めない病気」です。

Q7. フローボリューム曲線のグラフが「下に大きくえぐれた形」になるのは、どの換気障害か。
解答:閉塞性換気障害
息を吐く後半で、気道が潰れて空気を押し出す勢いが急激に落ちるため、グラフの右側が下に凸の形(えぐれた形)になります。

Q8. フローボリューム曲線のグラフが「正常な形をそのまま小さくした形(ミニチュア化)」になるのはどの換気障害か。
解答:拘束性換気障害
気道は狭くないため勢いよく吐き出せますが、そもそも吸い込んだ空気の量(肺活量)が少ないため、グラフ全体が小さくなります。

Q9. スパイロメトリの検査で、直接測定することが「できない」肺気量は何か。
解答:残気量(ざんきりょう)
スパイロメトリは「口を出入りする空気」を測る機器です。息を限界まで吐き切った後も肺の中に残っている空気(残気量)は測定できません。

Q10. 1秒率が70%未満で、かつ%肺活量も80%未満となっている状態を何というか。
解答:混合性換気障害
閉塞性と拘束性の両方の問題が起きている状態です。重症化したCOPDなどで、気道が狭いだけでなく肺の弾力も失われた場合に見られます。

苦手な「検査値・グラフ」を克服して、確実な合格へ

スパイロメトリの各種指標やフローボリューム曲線は、一度「何を意味しているか」をイメージで納得できれば、国家試験本番で大きな得点源へと変わります。

「アルファベット表記の用語が頭に入ってこない」「模試の呼吸器問題でいつも迷ってしまう」という方は、完全マンツーマンの個別指導で受験生一人ひとりの弱点を克服する看護師国試予備校「Meg」にご相談ください。入学前の基礎固めから、現役生の成績アップ、既卒生向けの通年対策、進級・卒業試験対策にいたるまで、あなた専用の学習プランで徹底サポートいたします。

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この記事の執筆者
K先生
看護師/Meg看護師国家試験予備校 講師
第108回看護師国家試験合格。看護師として九州大学病院に勤務後、看護師国試予備校「Meg」にて講師を務める。