定期試験を【看護師国家試験】への橋渡しにする長期プラン

長期プランを考えるイメージ

定期試験と国試は本当に“別もの”なのか

看護学生の多くが、一〜三年生のころは「とりあえず目の前の定期試験を乗り切ること」で精一杯になりがちです。「国試は四年生になってから」「今の試験と国試は別もの」という感覚を持っている人も少なくないと思います。

でも、冷静に考えてみると、学内の定期試験と看護師国家試験は、まったく別世界のテストではありません。たしかに、試験の形式や出題の広さ、重さは違いますが、「人の体の仕組みを理解しているか」「病態と症状、検査、看護をつなげて考えられるか」「安全で標準的な看護を選べるか」といった、本質的に問われている力には共通点がたくさんあります。

違いがあるとすれば、定期試験は「この科目、この範囲」という枠がはっきりしているのに対し、国試は複数の領域が横断的に出題されること、また、学内試験は教員のカラーが出やすいのに対して、国試は全国的な基準に沿って問題が作られていることなどです。

けれども、「授業で扱った内容を理解して、自分の言葉で説明できる」「患者さんの状況をイメージしながら選択肢を選ぶ」という根っこの部分はどちらも同じです。つまり、いま目の前の定期試験の勉強のやり方を少し工夫すれば、それ自体をそのまま国試対策につなげることができる、ということでもあります。

今の試験勉強にちょっとだけ「国試っぽさ」を足す

では具体的に、普段の試験勉強をどう国試寄りにしていけばいいのでしょうか。いきなり「全部を国試レベルにする」のは現実的ではありません。大切なのは、いつもの勉強にほんの少しだけ「国試っぽさ」を混ぜることです。

たとえば、循環器の試験が近いとします。教科書やプリントの内容を覚えるだけで終わらせるのではなく、「循環器の中で、心不全、高血圧、虚血性心疾患はどこが似ていてどこが違うか」といった横断的なまとめを一枚作ってみるのです。

症状、検査、治療、看護のポイントを表や矢印でつなげて整理しておくと、定期試験の理解が深まるだけでなく、国試の事例問題にも強くなっていきます。

また、テスト範囲に関連する国試の過去問を、ほんの数問だけ先取りして解いてみるのもおすすめです。もちろん、まだ知らない範囲も多いので、全問正解する必要はまったくありません。「今習っている内容が、国試ではこんな聞かれ方をするんだ」と知っておくだけで、授業への集中の仕方やノートの取り方が自然と変わってきます。

一〜三年生向け「国試を意識したノートの取り方・復習の仕方」

定期試験を国試への橋渡しにするうえで、大きなカギになるのがノートの使い方です。単に板書を書き写すだけのノートは、その授業が終わったあとほとんど開かれずに終わってしまうことが多いものです。

国試を少し意識するなら、「あとで自分の国試勉強のときに見返したくなるノート」に変えていくイメージを持ちましょう。

一つの方法として、授業中のノートを「事実を書くスペース」と「自分の言葉で整理するスペース」に分けるやり方があります。

ページの左側には先生の説明や重要な用語を書き写し、右側には「この病態のポイントは何か」「国試だったらどんな問われ方をしそうか」を簡単にメモしておくのです。

たとえば、「COPD:息が吐けない病気=呼気がポイント」「高齢者+喫煙歴、運動時の息切れ」といった、自分なりのキーワードを書き添えておくと、後で見返したとき記憶がよみがえりやすくなります。

復習の仕方も少し工夫できます。テスト前にノートを何度も眺めるだけではなく、ノートを閉じて、「この疾患ではどんな症状が出るか」「まず行う観察は何か」を声に出して説明してみる練習をしてみてください。

最初はうまく言葉が出てこなくても、何回かくり返すうちに「自分の頭でつながっている部分」と「うろ覚えの部分」がはっきりしてきます。

授業を“国試モード”で聞くためのチェックポイント

同じ授業を受けていても、「定期試験のためだけ」に聞くのと、「数年後の国試につなげるつもり」で聞くのとでは、得られるものがかなり違ってきます。授業を“国試モード”で聞くときのチェックポイントを、いくつか心の中に持っておくと便利です。

たとえば、先生が「これはよく出る」「ここは大事」と言ったところは、そのまま国試でも重要である可能性が高いポイントです。そうした言葉に出会ったら、ノートに印をつけるだけでなく、「なぜ大事なのか」「他の疾患とどう関わるのか」を自分なりにメモしておきましょう。

また、「患者さんのどんな訴えがあったらこの病気を疑うのか」「どんな検査値のときに危険サインになるのか」といった話も、国試の事例問題でほぼそのまま使われる視点です。

もう一つ大切なのは、「もし今の説明を国試の四択問題にしたら、どんな聞かれ方をするだろう」と想像してみることです。

たとえば、授業で急性心筋梗塞の看護のポイントが説明されたとき、「この中で最も優先する観察項目はどれか」「次に行うべき行動は何か」という形で頭の中に四択を作ってみます。

まとめ:定期試験を「ゴール」ではなく「橋」としてとらえる

一〜三年生のうちは、つい目の前の定期試験がゴールのように感じてしまうものです。しかし、看護師として働くことや国試合格という大きな視点で見れば、定期試験はゴールではなく、その先へつながる「橋」の一つに過ぎません。

今の試験勉強にほんの少しだけ「国試っぽさ」を足してみてください。疾患を横断的にまとめてみること、テスト範囲に関連する国試過去問を数問だけ先取りしてみること、ノートに自分の言葉でポイントを書き添えること、授業を聞きながら「もしこれが四択問題になったら」と想像してみること。

どれも小さな工夫ですが、その積み重ねが数年後、「四年生になってから慌ててゼロから国試対策を始める自分」と「普段の勉強がそのまま国試につながっている自分」との大きな差になります。

今はまだ国試が遠く感じられても、「今日の一コマの授業」「次の定期試験」が、ゆるやかに国試へ続いている道の一部だと思ってみてください。そう考えるだけで、ノートのとり方や復習の仕方が少し変わっていくはずです。

 
監修者プロフィール

Meg看護師国試予備校講師 H先生

富山県立大学看護学部を卒業後、長崎大学医学部医学科へ編入。

現在は、アクト医療資格グループ「Meg看護師国試予備校」の講師として活躍しており、看護学全般の知識と、医学的視点を融合させた質の高い授業を展開しています。 そのわかりやすい授業は学生から大変好評を得ており、受験生が確かな知識を身につけられるよう指導にあたっています。