看護師国家試験直前1か月・1週間・前日に「やること/やらないこと」
残り1か月:伸びやすい領域と、あえて「切る」領域を決める
国試まであと1か月。ここに来ると、多くの受験生は「まだあれもやってない」「この分野が全然終わってない」と焦りが強くなります。けれど、この時期に必要なのは焦りではなく、「どこに時間を投資すれば一番点数が伸びるか」という冷静な見極めです。
残り1か月で伸びやすい領域は、まず必修レベルの基本事項と、自分が「何となく分かっているつもり」で止まっている頻出分野です。すでに一度は勉強している内容で、模試でも半分くらいは正解できているようなところは、ちょっと手をかけるだけで一気に安定しやすいゾーンです。循環器、呼吸器、糖尿病、老年看護、母性・小児の基本など、どの年度でも毎回出てくるようなテーマは、ここで「穴」をできるだけ埋めておきたいところです。
一方で、この時期にあえて「切る」勇気が必要な領域もあります。ほとんど手をつけられていないニッチな分野や、過去問でもごく一部にしか出てこないような細かい知識を、今からゼロスタートで完璧にしようとするのは、コスパがよくありません。もちろんまったく触れないという意味ではなく、「時間をかけて深追いしない」「基本だけ押さえたら一度手を離す」と割り切る、という感覚です。
この時期、「やること」は、頻出分野の総チェックと、自分の弱点が集中しているテーマの底上げです。「やらないこと」は、急に新しい参考書や問題集に手を出して、表面的にページだけめくって終わる勉強です。すでに手元にある教材を信じて、「同じところを何周もまわす」イメージで、理解と定着を優先していきましょう。
残り1週間:知識の最終確認と生活リズムの調整にシフトする
国試まであと1週間になると、いよいよ「量より質」に切り替えるタイミングです。この時期は、新しいことを入れるよりも、「今持っている知識の抜けやグラつき」を徹底的に整えていく意識が大切になります。
残り1週間の「やること」は、自分専用のまとめノートや、付せんをたくさん貼ったページを中心にした最終確認です。必修で何度も出ているキーワード、自分がなかなか覚えられない数値や検査値の正常範囲、模試で何度も間違えたテーマなど、「落としたら悔しいところ」に重点的に時間を使っていきます。
また、本番と同じ時間帯に過去問を1回分通しで解いてみて、集中力の持ち方や休憩のタイミングを確認しておくのも良い練習になります。
同時に、この1週間は「生活リズムの調整期間」でもあります。試験当日にしっかり頭を働かせるには、睡眠サイクルを本番に合わせておくことが重要です。夜型になっている人は、少しずつ就寝・起床時間を前倒ししていきましょう。試験開始時刻に一番頭が冴えるように、朝起きる時間と、前夜の就寝時間を調整します。
「やらないこと」は、夜遅くまで詰め込み勉強をして、昼夜逆転のような状態で本番に突入することです。不安になると「寝るより勉強したほうがマシ」と思ってしまいますが、直前1週間は、睡眠不足の蓄積がそのまま集中力の低下につながります。
新しい問題集に手を出して、「あ、ここもできていない」と自己嫌悪に陥るのも、この時期あるあるの罠です。あえて手を広げず、「今までやってきたものに何度も触れる」ことで、安心感と手応えを積み上げていきましょう。
前日〜当日朝:触れるべきものと、あえて手放すもの
試験前日は、勉強以上にメンタルの揺れが大きくなりやすいタイミングです。「まだ全然足りていない」「やらなきゃ」という思いと、「もうやっても頭に入らないかも」という疲れがぶつかり合います。
前日に「やること」は、これまで何度も見返してきたまとめノートやチェックリストを、落ち着いて確認する程度にとどめることです。特に、必修で落としたくないポイント、自分が苦手な分野のごく基本的な事項を中心に、短時間でさっと見ておくと良いでしょう。
また、持ち物の最終確認や、試験会場までの道順、当日の起床時間・出発時間の設定など、翌日の段取りを具体的にイメージしておくことも、前日にやっておきたい大事な準備です。
逆に、前日に「やらないこと」は、重い問題集を開いて新しい分野に挑戦したり、時間を計って過去問を丸々1回分解いたりすることです。直前に難しい問題でボロボロの点数を見てしまうと、その数字だけが頭に残ってしまい、当日の自信を大きく削ってしまいます。
当日の朝は、前日と同じく、持ち歩き用のノートや、スマホに保存してある自作のまとめを軽く眺める程度で十分です。
試験当日のトラブルとその備え方
試験当日は、勉強以外のところで思わぬトラブルが起こりがちです。事前にイメージしておくだけでも、かなりリスクを減らせます。
まず多いのが、会場までの道に関するトラブルです。電車の遅延や乗り換えミス、会場の入り口が分からないといったことは、例年少なからず起きています。数日前のうちに、路線検索アプリなどで複数の行き方を確認しておき、「この電車に乗り遅れても、次の電車で間に合う」という余裕を持った出発時間を設定しておきましょう。
寒さ対策やトイレ問題も、よくある悩みです。試験会場は思った以上に冷えることが多く、冷えから体調を崩したり、トイレが近くなったりすることがあります。重ね着しやすい服装を選び、ひざ掛けやカイロなどを準備しておくと、自分で調節しやすくなります。
万が一、問題文を読んで頭が真っ白になる瞬間があっても、「こうなったら終わりだ」と考える必要はありません。いったんペンを置いて、数十秒だけ深呼吸をし、「今、自分ができる一問に集中する」と意識を切り替えます。
まとめ:直前期こそ「やることを減らす」勇気を
国試直前の1か月、1週間、前日は、「もっとやらなきゃ」という気持ちに押されて、つい予定を詰め込み過ぎてしまう時期です。でも、本当に大事なのは「何をやるか」だけでなく、「何をやらないか」を決めることです。
残り1か月は、伸びやすい頻出分野と自分の弱点の底上げに集中し、手を広げ過ぎないこと。残り1週間は、知識の最終確認と生活リズムの調整に軸足を移し、新しい教材には無闇に手を出さないこと。前日〜当日朝は、これまで作ってきたまとめノートを軽く確認する程度にとどめ、睡眠とコンディション作りを最優先にすること。
もし直前期の計画づくりや「やる/やらない」の整理に悩んだら、学校の先生や友人に相談するのはもちろん、外部のAIサービスに自分の状況と残り日数を入力して、一緒に優先順位を決めてもらう、という使い方もできます。
Meg看護師国試予備校講師 H先生
富山県立大学看護学部を卒業後、長崎大学医学部医学科へ編入。
現在は、アクト医療資格グループ「Meg看護師国試予備校」の講師として活躍しており、看護学全般の知識と、医学的視点を融合させた質の高い授業を展開しています。 そのわかりやすい授業は学生から大変好評を得ており、受験生が確かな知識を身につけられるよう指導にあたっています。

