看護師国試の解剖生理・病態・薬理を学び直すには?暗記を理解につなぐ勉強法
Meg看護師国試予備校|基礎科目の学び直しガイド
解剖生理、病態、薬理を別々に暗記しても、状況設定問題で使えないことがあります。学び直すときは、正常な働き、病気による変化、症状や検査、治療の目的、看護で確認することを一つの流れで整理しましょう。分からない問題から必要な基礎へ戻る方法が有効です。
出題基準(令和5年版)でも「人体の構造と機能」は、正常な構造と機能に加えて、フィジカルアセスメントや疾病の成り立ちとの関連で理解を問う科目として示されています。
この記事の要点
- 用語を知っていることと、仕組みを説明できることを分けて確認する。
- 一つの単元を「正常→変化→症状・データ→治療→看護」の5つの問いで整理する。
- 出題基準でも、人体の構造と機能は看護や疾病の理解と関連付けて問われる。
- 資料を閉じて説明し、別の問題で使えるかを確かめる。
- 基礎は困った問題に必要な範囲から戻り、際限なく広げない。
出題基準から見る基礎科目の位置づけ
厚生労働省の出題基準(令和5年版)では、「人体の構造と機能」の目標として、正常な人体の構造と機能、フィジカルアセスメントや日常生活を支える看護に必要な構造と機能、疾病の成り立ちとの関連における構造と機能の3つが示されています。
| 目標 | 問われる内容 |
|---|---|
| 目標Ⅰ | 正常な人体の構造と機能について基本的な理解 |
| 目標Ⅱ | フィジカルアセスメントおよび日常生活の営みを支える看護に必要な人体の構造と機能 |
| 目標Ⅲ | 疾病の成り立ちとの関連における人体の構造と機能 |
つまり基礎科目は、単独の暗記科目ではなく、看護や疾病の理解の土台として問われます。出題基準の改定概要でも、疾病を理解するために必要な知識を問えるよう見直したことが示されています。学び直しも、この「つながり」を意識して進めるのが効率的です。
用語を知っていることと、仕組みを説明できることを分ける
解剖生理が苦手と感じる場合、まず用語の意味が分からないのか、意味は知っていても働きを説明できないのかを確認します。図を見れば分かるものの、図を閉じると関係を言えない場合は、自分で簡単な図を書いて説明する練習を加えます。
病態や薬理を覚える前に、必要な正常の働きを整理すると、変化の意味を考えやすくなります。ただし一冊を最初から読み終えるまで問題演習を禁止する必要はありません。演習で困った箇所と基礎確認を往復してください。
例えば問題に出てきた症状を説明できないときは、関連する臓器の働きと、問題で示された変化に絞って戻ります。どこまで戻るかを限定することで、基礎の学び直しが際限なく広がるのを防ぎます。
一つの単元を5つの問いで整理する
一つ目は「正常では何をしているか」、二つ目は「何が変化しているか」、三つ目は「どのような症状やデータに表れるか」、四つ目は「治療は何を目的としているか」、五つ目は「看護では何を確認する必要があるか」です。
| 整理する段階 | 自分に問うこと | 確認方法 |
|---|---|---|
| 正常の働き | 何を調整・維持しているか | 簡単な図で説明する |
| 病態 | 正常から何が変わったか | 変化を言葉で表す |
| 症状・データ | 変化は何に表れるか | 問題文の情報と対応させる |
| 治療・薬理 | 何を目的としているか | 作用の根拠を確認する |
| 看護 | 何を観察・支援するか | 設問の条件で判断する |
5つの問いで整理する例:糖尿病(学習の整理例)
- 正常:膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されるインスリンが、血糖値を下げる方向に働く。
- 変化:インスリンの分泌不足や働きの低下(インスリン作用不足)により、血糖値が高い状態が続く。
- 症状・データ:高血糖による口渇・多飲・多尿など。血糖値やHbA1cで状態を確認する。
- 治療の目的:食事療法・運動療法・薬物療法で血糖をコントロールし、合併症を防ぐ。
- 看護:薬物療法中は低血糖の症状(冷汗、動悸、手指のふるえなど)に注意し、セルフケアを支援する。
具体的な数値や対応は教科書と授業で確認してください。これは理解を整理するための例です。
この問いは理解を整理するための枠組みです。全ての疾患を同じ単純な因果だけで説明できるわけではなく、複数の要因や例外もあります。分からない部分は矢印で無理につながず、疑問として残して教材や講師に確認しましょう。仕組みのつながりの例として「RAA系(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)の解説」も参考になります。
薬理では、薬の名前だけでなく作用の目的と注意する点を対応させます。似た名前の混同、薬効の混同、作用と副作用の混同を分けると復習範囲を絞れます。具体的な用量や実施方法は、国試学習と実際の医療行為を混同せず、適切な資料と指導の下で確認する内容です。
資料を閉じて説明し、別の問題で使う
図や表を見ながら納得した後、資料を閉じて短く説明します。専門用語を多く並べることより、原因と結果のつながりを自分の言葉で示せるかを確認しましょう。説明が止まった箇所が、次に教材へ戻る場所です。
次に、その単元の一般問題や状況設定問題を解きます。正解の根拠だけでなく、問題の情報のうち、どれが重要だったかも言えるようにします。解説を読んで覚えた流れを、別の条件にそのまま当てはめないことが大切です。
ノートは一単元で一枚など、簡潔にまとめる方法があります。きれいな図を完成させることを目的にせず、理解できた部分、まだ説明できない部分、再確認する問題を分けて残しましょう。
学校の基礎科目と国試対策を同じ教材からつなげる
低学年の方は、学校の教科書や授業範囲を軸に、対応する国試問題で何を聞かれるかを確認します。入学前や1年次で生物・化学に不安がある方は、高校範囲の整理から始めると専門科目に入りやすくなります(リメディアルコース)。既卒で基礎に戻る方は、現在の誤答から必要な範囲を選びます。学年や受験までの期間によって、同じ単元でも進め方を変えてください。
基礎の説明を受ける場合は、困った設問と自分で書いた図を用意すると、どこで関係を取り違えたか確認しやすくなります。説明後には別の問題で確かめ、授業中の理解を自習でも使えるようにしましょう。
以下は学習場面を想定した会話例です。
学習者:「疾患名と症状は暗記しましたが、問題になると解けません。」
学習支援者:「正常な働きから、なぜその症状が出るかを説明してみましょう。説明が止まる箇所を確認して、必要な基礎だけに戻ります。」
- 分からない問題を選ぶ
演習で説明できなかった問題を起点にします。 - 用語か仕組みか、つまずきを分ける
意味が分からないのか、関係を言えないのかを確認します。 - 必要な正常の働きへ戻る
関連する臓器・機能に範囲を絞ります。 - 変化から看護までを整理する
5つの問いで一つの流れにします。 - 資料なしの説明と別問題で確認する
初めて見る問題でも根拠を言えるか確かめます。
確認テスト10問
本文の理解を確かめる学習用のオリジナル問題です。各設問を開くと解答・解説を確認できます。
問1.用語を知っていれば理解は十分?
解答・解説:働きや関係を説明できるかも確認します。
問2.出題基準で「人体の構造と機能」は何と関連付けて問われる?
解答・解説:フィジカルアセスメントや日常生活を支える看護、疾病の成り立ちとの関連で問われます。
問3.基礎は必ず教科書の最初から?
解答・解説:困った設問に必要な範囲から戻る方法があります。
問4.最初に整理する働きは?
解答・解説:正常では何をしているかです。
問5.血糖値を下げるホルモンを分泌するのは?
解答・解説:膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されるインスリンです。
問6.薬名だけ覚えればよい?
解答・解説:作用の目的と注意する点も対応させます。
問7.全てを一本の因果でつないでよい?
解答・解説:複数要因や例外があり、無理につなげないようにします。
問8.図を写せば理解したといえる?
解答・解説:資料を閉じて関係を説明できるかを確かめます。
問9.説明が止まった場所は?
解答・解説:次に基礎確認へ戻る候補です。
問10.別問題を使う目的は?
解答・解説:異なる条件でも知識を使えるかを見るためです。
よくある質問
解剖生理が全く分からない場合はどうしますか?
用語と働きを分け、学校の教科書の基本的な図から確認します。受験までの期間に応じて、優先する範囲を相談しながら決めましょう。
病態と薬理は別々に勉強した方がよいですか?
それぞれの基礎を確認したうえで、病態の変化と治療の目的を関連付けます。全てを一度に覚えようとせず、一単元ずつ整理します。
国試で人体の構造と機能はどのように問われますか?
出題基準(令和5年版)では、正常な構造と機能に加え、フィジカルアセスメントや日常生活を支える看護、疾病の成り立ちとの関連で理解を問うことが示されています。
暗記は不要になりますか?
用語や基本事項を覚えることは必要です。理解と結び付け、資料なしで取り出す練習を組み合わせます。
動画だけで基礎を学び直せますか?
理解の補助には使えますが、見終えたことを完了条件にしません。教科書との照合、説明、演習で確認します。
国試直前でも基礎に戻ってよいですか?
繰り返す誤答の原因となる基礎に絞って戻る方法があります。全科目を最初からやり直すより、必要な単元と演習を往復します。
まとめ
解剖生理・病態・薬理は、正常の働きから変化、症状、治療、看護へ関連付けて整理します。出題基準も、基礎科目を看護や疾病の理解と結び付けて問う構成です。説明が止まる場所を確認し、必要な基礎への学び直しと問題演習を組み合わせましょう。
基礎科目から学び直したい方へ
説明できなかった単元や困った問題、自分で書いた図をもとにご相談ください。Megでは「なぜその症状が出るのか」という解剖生理と疾患のつながりから説明し、現在の理解と受験までの期間に合わせて戻る範囲を決めます。
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参考資料・編集情報
出題基準の目標は令和5年版で確認しています。糖尿病の整理例は学習用の一般的な説明であり、具体的な数値や対応は教科書と授業で確認してください。学習手順・計画・会話例は本記事の提案です。
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執筆・編集:Meg看護師国試予備校 講師チーム
監修:岩崎 陽一(株式会社アクト 代表取締役)
医療系国家試験対策の指導に30年以上携わり、Meg看護師国試予備校をはじめとする医療系予備校を運営。マンツーマン指導と学習管理を組み合わせた支援体制づくりに取り組んでいます。
編集・発行:Meg看護師国試予備校(運営:株式会社アクト)/最終更新日:2026年10月21日
