【看護師国家試験】科目横断!疾患・病態の「つながり図鑑」で国試を解く

つながり図鑑のイメージ

「一問一答」だけでは太刀打ちできない理由

看護師国家試験の勉強というと、「心不全とは?」「COPDとは?」というように、一つひとつの疾患を一問一答で覚えていくイメージを持っている人が多いと思います。もちろん、基礎としての暗記はとても大事です。でも、実際の国試では、疾患名そのものを問うだけでなく、「この症状と検査値がそろったら、どの病態を疑うか」「この患者さんに優先して行う観察やケアは何か」といった、複数の情報を組み合わせて考えさせる問題がたくさん出てきます。

つまり、病名カードをバラバラに集めても、それぞれのあいだに線が引かれていなければ、応用問題になった途端に答えが見えなくなってしまうのです。この文章で目指したいのは、「科目ごとのバラバラな知識」を、「疾患・病態でつながった一枚の地図」に変えることです。循環器、呼吸器、腎臓などをまたいで、症状や検査値を軸に整理していくと、国試の問題がぐっと読みやすくなります。

循環器・呼吸器・腎臓を一枚のマップで眺めてみる

まずイメージしてほしいのが、「臓器ごとのノート」ではなく、「体全体の流れを一枚に描いたマップ」です。たとえば心臓、肺、腎臓は、それぞれ別の科目で学びますが、実際には血液循環やガス交換、体液バランスを通して常にお互いに影響し合っています。

心不全を中心に置いて考えてみると、心臓がうまく血液を送り出せないために肺の血管にうっ血が起こり、呼吸困難や湿性ラ音につながります。同時に、腎血流が低下することで尿量が減り、体液が貯留して浮腫が出てきます。同じ「息苦しい」「足がむくむ」という症状でも、それが心臓由来か、肺の病気か、腎臓のトラブルが主役なのかで、検査や治療が変わります。

こうした関連を紙に一度描き出してみると、「循環器の問題だったはずが、いつのまにか呼吸器も腎臓も関わってくる」感覚がつかめてきます。教科書の章立てとは異なる、「自分オリジナルの臓器マップ」を一枚作っておくと、国試の事例問題を読んだときに、「この症状の裏でどの臓器に負担がかかっているか」がイメージしやすくなります。

同じ症状を起こす疾患をまとめて比べる

次のステップとして大切なのが、「症状を入り口にして疾患を横断的に整理する」という視点です。例えば「浮腫」「呼吸困難」「ショック」などは複数の病態で共通します。ここを「ややこしい」と感じるか、「まとめて覚えるチャンス」と捉えるかで理解が大きく変わります。

浮腫を例にすると、心不全、腎不全、肝硬変、静脈血栓症、リンパ浮腫などが原因となり得ます。同じ「足がむくむ」でも、心不全なら息切れ・頸静脈怒張、腎不全なら尿量変化・高カリウム血症、肝硬変なら腹水・黄疸・出血傾向…と、セットで起きやすい所見は疾患ごとに異なります。

これらを疾患ごとに覚えるのではなく、「浮腫」という共通症状の下に並べて整理すると頭の中が一気にスッキリします。

「この症状+この検査値ならこの疾患」をパターンで覚える

国試の問題を解いていくと、「あ、この組み合わせはあの病態だ」と瞬時に気づける場面が増えてきます。これは単なる勘ではなく、「症状+検査+背景」のパターンが頭に入っているからです。
例として、

・胸痛+ST上昇+心筋逸脱酵素上昇 → 急性心筋梗塞
・労作時呼吸困難+慢性咳嗽+喫煙歴 → COPD
など、典型パターンを「カード化」しておくと記憶が格段に定着します。

図を見て「想起」するトレーニングで国試脳をつくる

「つながり図鑑」は作って終わりではなく、「図から素早く思い出す」ことで威力を発揮します。友人とクイズ形式で出し合ったり、図の一部を隠して続きを思い出す練習をするのがおすすめです。

図を見ながら「この病態の最優先観察は?」「どんな訴えが出る?」と自問することで、国試の事例問題で必要な思考回路が自然に鍛えられます。

まとめ:線でつながった知識は本番で崩れにくい

国試は覚える量が膨大ですが、重要なのは「カードを増やすこと」よりも「カード同士を線でつなぐこと」です。

臓器をマップ化する、症状から疾患を横断整理する、典型パターンを作る、図を見て想起する練習をする――これらを重ねることで、知識が一本の太い幹となり、本番の緊張下でも応用しやすくなります。

自分だけの「つながり図鑑」を育てるつもりで、今日の勉強から小さな一歩を取り入れてみてください。

 
監修者プロフィール

Meg看護師国試予備校講師 H先生

富山県立大学看護学部を卒業後、長崎大学医学部医学科へ編入。

現在は、アクト医療資格グループ「Meg看護師国試予備校」の講師として活躍しており、看護学全般の知識と、医学的視点を融合させた質の高い授業を展開しています。 そのわかりやすい授業は学生から大変好評を得ており、受験生が確かな知識を身につけられるよう指導にあたっています。