COPD(慢性閉塞性肺疾患)の病態と看護|口すぼめ呼吸と国試頻出ポイント
息をうまく吐き出せないため、空気が肺に溜まり(過膨張)、「労作時呼吸困難」「樽状胸」「体重減少」などの症状が現れます。
国試の鉄則:「口すぼめ呼吸」の指導と、高濃度酸素投与による「CO₂ナルコーシス」の予防!
1. COPDの病態:「吸えるけど吐けない」肺の限界
COPDは、かつて「肺気腫」と「慢性気管支炎」と呼ばれていた疾患を統合した名称です。最大の原因は喫煙(タバコ)です。
① 肺胞が壊れて弾力を失う(肺気腫の病態)
タバコの煙などの有害物質によって、ガス交換を行う「肺胞」が破壊されます。正常な肺は風船のように弾力がありますが、COPDの肺は使い古してゴムが伸び切った風船のような状態になります。そのため、空気は入ってきても、縮む力が弱くて空気を外に押し出せません。
② 気道が細くなる(慢性気管支炎の病態)
気管支が慢性的な炎症を起こし、壁が分厚くなったり痰(分泌物)が増えたりして、空気の通り道が極端に狭くなります。
この2つの要因により、息をうまく吐き出せず、肺の中に空気がパンパンに溜まってしまう(肺の過膨張)のがCOPDの最大の病態です。
思い切り息を吸って、最初の1秒間でどれだけ吐き出せたかを示す「1秒率(FEV1.0%)」が70%未満だと、COPDなどの閉塞性換気障害と診断されます。(正常は70%以上)
2. なぜ起こる?COPDの代表的な症状
病態が分かると、国試でよく問われるCOPD特有の症状の理由が理解できるようになります。
- 労作時呼吸困難(息切れ):
階段を上るなど、体を動かした時(労作時)に激しい息切れを感じます。 - 樽状胸(たるじょうきょう):
息が吐き出せず肺に空気が溜まり続けるため、胸の前後径が広がり、樽のような丸い胸の形になります。 - ばち指:
慢性の低酸素血症により、指先が太く丸くなる(太鼓のばちのような)変形が見られます。 - 体重減少:
呼吸にものすごいエネルギー(カロリー)を使うため、安静にしていても痩せていきます。
3. 国試によく出る!COPDの看護Q&A
COPDの患者さんに対する看護介入や注意点をまとめました。実績豊富な看護師国試予備校の講義でも、状況設定問題の得点源として重点的に指導されるポイントです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Q指導すべき呼吸法は? | A「口すぼめ呼吸」です。口をすぼめてゆっくり息を吐くことで、気道内圧を高め、気管支がペチャンコに潰れるのを防ぎます。 |
| Q食事指導のポイントは? | A呼吸筋の疲労でエネルギーを消耗するため、「高カロリー・高タンパク」の食事が必要です。一度にたくさん食べられないため「少量頻回食」にします。 |
| Q酸素療法の注意点は? | A高濃度酸素を投与すると自発呼吸が停止する「CO₂ナルコーシス」を起こす危険があるため、低濃度(低流量)から投与します。 |
| Q感染予防が重要な理由は? | A風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染が引き金となって「急性増悪(急激に悪化すること)」を起こすため、うがい手洗いやワクチンの接種が重要です。 |
4. まとめ:イメージで繋げて覚えよう
COPDの問題が出たら、まずは頭の中で以下の流れをイメージしてください。
「なぜその症状が出るのか」「なぜその指導をするのか」根拠を知ることで、実習でも国家試験でも強い知識になります!
実力チェック!確認テスト(全10問)
記事の内容が身についたか確認しましょう。各問題をタップ(クリック)すると、解答と解説が表示されます。
苦手な「病態・看護指導」を克服して、確実な合格へ
COPDのような複雑な呼吸器疾患も、表面的な暗記ではなく「息を吸えるけれど吐けない」といった根拠からイメージを繋げていけば、国家試験本番で迷うことなく正解を選べるようになります。
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