看護学科での勉強方法を徹底解説!高校までとの違いと効果的な学習対策

皆さんは看護学科での勉強方法に不安や悩みはあるでしょうか?今回の記事では看護学科での勉強方法について、高校までとの違いに触れながらお話ししていきたいと思います。

看護学科の勉強〜高校までとの基本的な違い

看護学科の勉強〜高校までとの基本的な違い

看護学科での勉強は、高校までの勉強とは大きく異なります。

普通科の高校を例に挙げると、教養としての科目を学んでいた高校までの学習体制とは変わり、看護学科では専門性の高い知識や技術習得が求められるようになります。

 

また、専門科の高校に通っていた方は高校時代からすでに専門性の高い科目を学習してきたと思いますが、それでも授業の中には必修科目としての教養科目が一定数含まれていたと思います。

しかし、看護学科では入学直後の教養科目以降は全てが看護や医療に関連した専門科目となります。それら専門科目の中には暗記科目もあれば倫理観や常識を問われる教科も含まれており、人によって得意不得意がはっきりと分かれる科目もあるでしょう。

 

ここでは、科目別に効果的な勉強方法のコツと、高校との違いについて詳しく説明していきます。

科目別の勉強の概要とコツ〜高校との違い

科目別の勉強の概要とコツ〜高校との違い

基礎医学

基礎医学は、高校生物よりも遥かに専門性が高く、複雑な内容を扱うため、暗記力だけでなく、論理的思考力や分析力も必要になります。また、患者さんの身体状況を想定した思考が求められることも特徴です。

 

そのため、単に知識を詰め込むだけでなく、知識を実際にどのように活用するのかを考えることが重要です。つまり、インプットをするだけでなく、アウトプットの訓練も必要となります。インプットとアウトプットを繰り返し行うことによって、問題ごとに何を求められているのかが徐々にわかるようになってきます。

では基礎医学の各科目も見ていきましょう。

解剖生理学

暗記科目の代表と言えるでしょう。人体の構造と機能を立体的に理解するために、図や模型を積極的に活用することがポイントです。

また、暗記科目ではありますが、実際は暗記だけでなくなぜその構造や機能が身体にとって必要なのかを論理的に理解することで理解が進む科目です。

解剖生理学では、試験で優先的に問われるような重要な項目が、ある程度絞られてきます。そのため、試験勉強の際は過去問を活用し問題形式に慣れることも重要となってきます。

 

【まとめ】

  1. 図や模型を活用した立体的理解
  2. 構造や機能の必要性を論理的に考える
  3. 過去問を解いて重要項目を把握する

高校の生物と比べ、より詳細かつ専門的な内容を扱うため、単純な暗記ではなく理解を深めることが重要です。

 

病態生理学

病態生理学は疾患の原因やメカニズム、症状を理解するために、疾患の全体像を捉える科目です。病態生理学を理解するためには、解剖生理学で学んだ基本的な構造や機能を発展させることが基本で、その上でどこの異常を原因にどのような変化が起こっているのかを把握することが大切です。

病態生理学に慣れるまではフローチャートやマインドマップなどを活用して、疾患の流れを整理してみましょう。実際に流れを書き起こしながら学習することで、ただ教科書を読むよりも何倍も理解が進みます。

また、実習に参加した際は自分の受け持ち症例を参考に、実際に患者さんに起こっている状況をイメージしながら学習すると学習効果を伸ばすことができるでしょう。

 

【まとめ】

  1. 解剖生理学の知識を基礎として活用する
  2. フローチャートやマインドマップで疾患の流れを整理する
  3. 実習での経験を踏まえて学習する

高校では扱わなかった疾患の専門知識を習得するため、視覚的な整理と実践的な理解が鍵となります。

 

薬理学

薬理学では、薬の作用機序・効果・副作用を理解する必要があります。

薬理学は難しいイメージを持っている学生が多いと思いますが、看護学科で扱う薬剤は基本的なものばかりです。ですから、まずは焦らずに何度も教科書を読み、薬理作用のしくみに慣れた上で、病態生理学と同じように図を用いるなどして学習すると頭に残りやすいです。

試験の際は、定番の薬剤−薬理作用、薬剤−副作用の組み合わせがあるため、過去問を活用し、問題に慣れることが得点の近道です。

 

【まとめ】

  1. 基本的な薬剤に焦点を当てる
  2. 図を用いて薬理作用のしくみを理解する
  3. 過去問を活用して定番の組み合わせを覚える

高校では扱わなかった専門的な内容ですが、基本に焦点を当てることで効率的に学習できます。

 

臨床看護学

次は臨床看護学です。臨床看護学は、患者さんへの具体的な看護方法を学ぶための実践的な知識や技術を習得する科目です。また、知識や技術だけに留まらず、患者さんの心理状態を理解し共感に基づいた看護を行うことが求められます。そのため倫理的な問題についても考えながら学習する必要があります。

成人看護学

成人看護学は基礎医学の知識に基づいてそれを現場で看護に繋げる科目です。患者さんの年代や性別、社会的状況によっても必要な看護が変わってきますので、成人のライフステージを踏まえて理解することが重要です。ライフステージごとの特徴は暗記問題として直接問われることもあれば、具体的な看護の方法を答える形で間接的に問われることもあります。そのため、ステージごとの特徴とそれを踏まえた看護を繋げて考える必要があります。

 

【まとめ】

  1. ライフステージごとの特徴を理解する
  2. 具体的な看護方法とライフステージの特徴を関連付ける
  3. 事例を用いて実践的に考える

高校では学ばなかった専門的な看護知識を、実践を想定しながら学ぶことが重要です。

 

母性・小児看護学

この科目では妊娠、出産、育児に関する知識と、母性と小児の健康状態を維持するための看護について学びます。看護の対象は母親、子ども、その家族と、かなり幅が広くなってきます。母子関係や発達段階を理解した上で、適切な看護を提供するという前提をしっかりと押さえておくことがポイントです。また、患者さんの状況にもよりますが、多くの母性・小児の患者さんは健康状態に問題の無い、あるいは少ない母親、父親と接することになります。その点が成人看護と異なる点で、やりがいもあれば難しさを感じる要因です。実習では実際に母親や子どもと接する機会があるので、患者さんとの距離感、コミュニケーション技術などを学ぶ期間にしましょう。

 

【まとめ】

  1. 母子関係や発達段階の理解を深める
  2. 健康な対象者への看護の特徴を把握する
  3. 実習でのコミュニケーション技術を磨く

高校では扱わなかった専門分野であり、対象者の特性を踏まえた学習が求められます。

 

精神看護学

精神看護学では精神疾患の病態、症状、治療法について学び、精神疾患を持つ人の心のケアを行います。疾患の症状、治療法、予後などの基本的知識に加え、精神看護では患者さんとのコミュニケーションスキルが大きな課題となります。精神疾患を持つ方の対人関係の特徴を踏まえながら必要な治療や看護を考えていく必要があります。他の科目に増して傾聴やコミュニケーションを重視した看護を実践することが重要です。まずは精神疾患の知識をしっかりと頭に入れた上で、ロールプレイングや実習を通して、実際に患者さんと接する際のコミュニケーションや技術を練習しましょう。

 

【まとめ】

  1. 精神疾患の基本的知識を習得する
  2. ロールプレイングで実践的なスキルを磨く
  3. 傾聴とコミュニケーションの重要性を理解する

高校では学ばなかった専門的な知識と実践的なスキルの両方が求められる分野です。

その他の科目

看護学科では看護師として必須となる幅広い知識を学ぶため、医・看護学以外に教養や問題解決能力を養う科目を学習します。

公衆衛生学

統計や疫学の知識を用いて、地域住民の健康状態を分析し、健康増進や疾病予防のための対策を立てる科目です。現在の日本の健康課題も問われます。演習ではグループワークやディスカッションを通して、地域住民のニーズを把握し、協働で問題解決に取り組む力を養いましょう。試験では統計や疫学、法制度についての知識が問われますので、暗記科目の一つと言えます。特に人口統計やがん統計は重要視されやすく、統計の順位が年によって変化しますので、学校での科目試験のときだけでなく国家試験の対策の際に統計を見直しましょう。

 

【まとめ】

  1. 統計や疫学の基本概念を理解する
  2. グループワークで問題解決能力を養う
  3. 最新の健康統計データを定期的に確認する

高校の保健体育よりも専門的かつ実践的な内容を扱うため、データの分析力と応用力が求められます。

 

倫理学

医療倫理に関する基本的な考え方を学び、患者さんの権利を守りながら、倫理的に正しい判断をする力を養います。医療従事者としてどのように対応すべきかも問われます。具体的な事例を題材としたケーススタディを通して、看護師の医療倫理学的立ち位置について学ぶことが重要です。

 

【まとめ】

  1. 具体的な事例を用いたケーススタディに取り組む
  2. 医療従事者としての倫理的判断力を養う
  3. 患者の権利と医療者の責任について深く考える

高校の倫理とは異なり、医療現場に特化した実践的な倫理観を養うことが重要です。

 

医療情報学

電子カルテや医療情報システムの活用方法を学び、効率的な情報管理と情報共有を実現します。情報収集や情報分析のスキルを磨き、エビデンスに基づいた看護を実践できるようにすることもこの科目の狙いです。

また、情報管理・情報共有については、実習の時点ですでに医療者の一員として適切な行動が求められます。そのため、座学の期間から情報の取り扱いの意識を高め実習に備えておく必要があります。試験では情報管理・情報共有についての全般的な知識が問われますので、医療分野におけるこれらの基本的考え方に慣れておきましょう。

 

【まとめ】

  1. 電子カルテの基本的な操作を習得する
  2. 情報管理と情報共有の重要性を理解する
  3. エビデンスに基づいた看護実践の方法を学ぶ

高校では扱わなかった医療特有の情報管理について学び、実習や将来の実務に備えます。

 

ここまで、看護学科での勉強方法について具体的な科目と高校までとの違いを交えながらお話ししてきました。看護学は、いつの時代も変わることのない普遍的な知識(=暗記問題)と、時代によって問われる内容が変わる倫理問題(=思考問題)とが合わさってできています。それぞれの科目に適した勉強方法を取りながら、最終的には全てを統合して答えが出せるように地道に頑張っていきましょう。

まとめ

Meg看護師国試予備校では、これらの学習をサポートする個別指導を提供しています。専門知識を持つ講師が、一人ひとりの学習状況に合わせた指導を行い、効果的な学習をサポートします。看護学科での学びを深め、将来の看護師としてのキャリアに向けて、しっかりと基礎を固めていきましょう。