看護師国家試験までの「逆算ロードマップ」学年別ガイド

 

看護師国家試験までの「逆算ロードマップ」とは何か

看護師国家試験の勉強を考えるとき、多くの人は「四年生になったら本気を出す」「実習が終わってから国試モードに入る」と思いがちです。しかし国試は、一夜漬けでどうにかなる試験ではありません。一年生からの積み重ねが、四年生の大きな安心につながります。

そこで必要になるのが「逆算思考」。国試本番から現在地へ向けて道を逆にたどることで、「今やるべきこと」がはっきり見えてきます。このガイドでは、学年別・月別に“理想の流れ”を言葉で描いていきます。

一年生のタイムライン:国試の“土台”をつくる時期

一年生では国試は遠く感じますが、この時期に作る基礎こそが後々の強い武器になります。解剖生理、基礎看護技術、レポート作成など、一見バラバラな内容もすべて国試につながっています。

● 一年生の学習ポイント
・テスト前の一夜漬けを減らし、まとめノートを作る習慣をつける
・「後で見返せるノート」を意識する
・国試を意識しすぎなくてもOK。基礎の積み重ねこそ最重要

二年生のタイムライン:国試範囲と重なる内容が増える時期

二年生になると、学ぶ内容が一気に国試レベルに近づきます。疾患名、症状、検査、治療、看護ポイントを「ワンセット」で覚えるクセをつけましょう。

● 二年生のチェックポイント
・授業内容が「国試でどのように出るか」を意識
・定期試験の答案分析 → 「弱点リスト」化
・苦手パターン(暗記・事例読み取り・計算)を早めに把握

三年前半のタイムライン:知識を“現場感覚”と結びつける

講義と実習が混ざる時期。実習で経験した内容を、教科書・過去問と関連づけることで知識が立体的になります。

● 三年前半のポイント
・担当患者の疾患を過去問でチェック
・症状・検査値が“実習の場面”とつながる
・知識が一気に定着しやすい黄金期

三年後半〜四年生のタイムライン:月別に“やることマップ”を描く

三年後半からは、実習・卒業試験・就活・国試が絡み合うハードな期間。ここで重要なのが「月ごとの役割分担」です。

  • 実習中 → 寝る前の必修問題 15 分
  • 隙間時間 → 電車でアプリ問題 1 問
  • 休みの日 → まとめて過去問

四年生では、最低ラインのノルマを作り「国試モードの生活」に徐々に寄せていくことが重要です。

● 四年生の理想ペース
・夏までに主要科目を1周「触る」
・秋:過去問1周目を完了
・冬:過去問2周目+弱点潰し
・1月末:誤答中心の総仕上げ

既卒生のタイムライン:生活リズムから逆算する

既卒生は学校のカリキュラムがないため、仕事や家庭とのバランスを軸に逆算しましょう。

  • 平日 → 必修・暗記系を短時間で
  • 週末 → 一般問題・状況設定など重めの内容
  • 生活リズムを固定すると計画が維持しやすい

今の自分の位置をチェックし、足りない部分を補強する

国試までの残り期間を意識しつつ、基礎・疾患理解・過去問経験・生活リズムの4つの観点で自己チェックを行いましょう。

まとめ:逆算ロードマップは「書き換えていい計画」

逆算ロードマップは、完璧に守る必要はありません。
実習・体調・仕事などでズレるのは普通のこと。

重要なのは、
・ゴールの日は固定する
・ルートは何度でも調整する

今日できる小さな行動を積み重ねることで、数か月後の自分が大きく変わります。

 
監修者プロフィール

Meg看護師国試予備校講師 H先生

富山県立大学看護学部を卒業後、長崎大学医学部医学科へ編入。

現在は、アクト医療資格グループ「Meg看護師国試予備校」の講師として活躍しており、看護学全般の知識と、医学的視点を融合させた質の高い授業を展開しています。 そのわかりやすい授業は学生から大変好評を得ており、受験生が確かな知識を身につけられるよう指導にあたっています。