看護師国家試験の状況設定問題が苦手な方へ|読み方・優先順位・復習のコツ

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状況設定問題は、疾患名だけで答えを選ぶと迷いやすくなります。患者の状態、問題で指定された時点、求められている判断を分けて整理し、選択肢を本文の根拠に戻して比較しましょう。一般問題で覚えた知識を、その患者の条件に合わせて使う練習が必要です。

状況設定問題は1問2点で、例年60問・120点分を占めます。読み方の課題が残ると合計点に大きく響くため、知識の補強と並行して「判断の手順」を練習しておきましょう。

この記事の要点

  • 状況設定問題は1問2点。例年60問で120点分を占め、一般問題と合算して判定される。
  • 出題基準の「看護の統合と実践」では、5つのテーマを状況設定問題として出題することが示されている。
  • 対象・時点・現在の状態・問いの種類・根拠の5軸で整理する。
  • 一般的に正しい選択肢と「この場面に合う」選択肢を区別する。
  • 時間内演習と、根拠を確認する復習は分けて行う。

状況設定問題の配点と出題の考え方

看護師国家試験の問題区分と第115回の合格基準
区分 問題数(例年の構成) 配点 第115回の合格基準
必修問題 50問 1問1点 40点以上/50点
一般問題 130問 1問1点 一般・状況設定の合計で
166点以上/249点
状況設定問題 60問 1問2点 (一般問題と合算)
合格基準は厚生労働省「第115回看護師国家試験の合格発表」より。必修と一般・状況設定の両方の基準を満たす必要があります。第115回では採点除外等の取扱いをした問題が2問(午前第32問・第80問)あり、一般・状況設定の満点は249点と公表されました。基準点は回ごとに公表されます。

出題基準(令和5年版)では、「看護の統合と実践」の目標Ⅳとして、複合的な事象で看護の知識を統合し活用できる判断能力を問うことが示されています。そのうえで、次の5つのテーマをもとに、専門分野の各科目で学んだ内容を統合し、臨床実践場面における状況設定問題として出題するとされています。

出題基準「看護の統合と実践」目標Ⅳのテーマ
テーマ 内容
A 対象や家族に切れ目のない支援を提供するための継続した看護
B 複合的な状況にある対象や、複合的に提供されている看護の状況を判断し、危険を回避する取組み
C 看護の提供者が、看護場面において自身の安全を確保するための総合的な判断や対応
D 発災からの経過に応じて被災者に提供される診療や支援を促進するための看護
E A〜Dを促進するための多職種連携
出典:厚生労働省「保健師助産師看護師国家試験出題基準 令和5年版」看護の統合と実践。

このように、状況設定問題は一つの科目の知識だけでなく、継続看護、安全、多職種連携などを組み合わせて判断する場面として作られています。演習では「どの科目の知識か」と同時に「この場面で何を判断させたいのか」を意識すると、復習の方向が定まります。

長文の前に「誰について、何を答えるか」を整理する

本文の情報を全て同じ重さで暗記しようとすると、設問に必要な条件を見失います。まず設問で求められる内容を把握し、本文では対象者、現在の状態、時間経過、生活背景を整理します。設問を先に読むかは自分に合う方法で構いませんが、本文を省略して答えを決めないようにします。

同じ疾患でも、入院時、治療後、退院に向けた時期では、判断に使う情報が変わります。「術後だからこの看護」「高齢者だからこの対応」と単語だけで反応せず、今の状態と設問を対応させてください。続く設問で新しい情報が加わった場合は、判断の前提も更新します。

読み取りの整理例(説明用の架空例)

本文:「70歳代の男性。手術後1日目。妻と二人暮らし。……設問:退院に向けて妻に説明する内容で適切なのはどれか。」

  • 対象:患者本人ではなく妻
  • 時点:術後1日目の情報もあるが、問いは退院に向けた時期
  • 問いの種類:観察や処置ではなく説明(指導)

この3点を先に書き出すと、本人への処置や術直後の観察の選択肢を、内容が正しくても候補から外しやすくなります。

選択肢は正しさと「この場面への適合」を分けて考える

選択肢の文章自体は一般的に正しくても、その患者や時点では最も適切とは限りません。比較するときは、実施条件が本文にあるか、患者の希望や能力を考慮しているか、設問が観察・対応・指導のどれを求めているかを確認します。

優先順位の問題でも、「いつも観察が先」「いつも説明が先」と一つの合言葉で解くことはできません。緊急性や安全に関わる情報を確認しながら、設問に示された状態で何が必要かを考えます。本文にない重症化や家庭事情を自分で付け足さないことも大切です。

迷った2択は「どちらも大事」で止めず、違いを一つ書き出します。一方は今の状態への対応、もう一方は状態が落ち着いてからの支援というように、対象と時点に戻ると比較しやすくなります。

状況設定問題で確認する5つの軸
確認する軸 見る情報 避けたい選び方
対象 本人・家族など設問の対象 家族への問いに本人の対応を選ぶ
時点 入院時・治療後・退院時など 前の設問の状態のまま判断する
現在の状態 症状・データ・変化 疾患名だけで答えを決める
問いの種類 観察・対応・指導など 重要そうな選択肢を無条件に選ぶ
根拠 本文に書かれた条件 書かれていない事情を追加する

一般問題の知識を状況設定へつなげる練習をする

用語を覚えていても、症状や検査の意味を説明できなければ、患者情報の重要度を判断しにくくなります。状況設定で読めなかった情報を起点に、必要な解剖生理・病態の範囲へ戻りましょう。全科目の最初からやり直す必要はありません。

例えば、ある症状を重要と判断したなら「正常ではどうなっているか」「問題ではどの変化が示されているか」「そのため何を確認する必要があるか」の順で説明します。これは学習の整理方法であり、現場での対応を単独で決めるための手順ではありません。

復習ノートは、患者の要約、決め手となった情報、選択肢を比べた理由の3欄にします。本文全体や解説を長く写すより、判断の分岐点を短く残した方が、次の演習で再利用しやすくなります。

時間内に解く練習と、理解を深める復習を分ける

最初から速さを求めて読み飛ばすと、条件の見落としが習慣になることがあります。初期は時間をかけて根拠を確認し、読み方が整理できたら、まとまった演習で時間の使い方を確かめます。長考する問題に印を付け、後で戻る方法も練習します。

解き直しでは正答できたかだけでなく、以前見落とした時点や条件を拾えたかを見ます。別の疾患の問題でも同じ整理ができれば、学習方法が使えるようになってきたと考えられます。読み方の課題と知識の課題を分けて記録しましょう。模試で時間配分を確かめる方法は「模試の活用法と戦略的学習計画の立て方」でも解説しています。

以下は学習場面を想定した会話例です。

学習者:「2つの選択肢がどちらも正しく見えます。」

学習支援者:「今の設問は何を求めていますか。どの情報が、その時点で一方を選ぶ根拠になるかを探しましょう。」

  1. 設問の対象と要求を確認する
    誰に対して、観察・対応・指導のどれを問うのかを書き出します。
  2. 患者情報と時点を整理する
    現在の状態と、前の設問からの変化を確認します。
  3. 選択肢を本文の条件と照合する
    本文にない条件を足していないか確認します。
  4. 根拠に戻って比較する
    迷った2択の違いを一つ言葉にします。
  5. 復習で知識不足と読み違いを分ける
    次の演習で直す点を一つ決めます。

確認テスト10問

本文の理解を確かめる学習用のオリジナル問題です。各設問を開くと解答・解説を確認できます。

問1.状況設定問題の配点は?

解答・解説:1問2点です。例年60問で120点分を占めます。

問2.疾患名が分かれば答えは決まる?

解答・解説:患者の現在の状態や設問の時点も確認します。

問3.続く設問で情報が追加されたら?

解答・解説:新しい情報を反映して前提を更新します。

問4.一般的に正しい選択肢なら必ず正解?

解答・解説:この場面で設問に適合するかを比べます。

問5.本文にない家庭事情を推測してよい?

解答・解説:根拠のない条件は付け加えません。

問6.優先順位は常に同じ?

解答・解説:緊急性や患者の状態、設問の要求で変わります。

問7.出題基準の「看護の統合と実践」目標Ⅳが状況設定で問うものは?

解答・解説:継続看護、危険回避、看護者自身の安全、災害時の看護、多職種連携など、複合的な場面で知識を統合した判断です。

問8.復習で全文を写すことが最優先?

解答・解説:判断の決め手と迷った理由を残します。

問9.読解練習と速度練習は同じ?

解答・解説:根拠を整理する練習と時間内演習を分けます。

問10.正解の位置を覚えた場合の確認は?

解答・解説:別問題でも対象・時点・根拠を整理できるかを見ます。

よくある質問

状況設定問題はどこから読めばよいですか?

設問の要求を意識して本文を読む方法があります。読み順そのものより、本文を省略せず対象と時点を整理できることが重要です。

状況設定問題は何点分ありますか?

状況設定問題は1問2点で、例年60問・120点分です。一般問題と合算して基準が判定され、第115回は一般・状況設定の合計で166点以上/249点が基準でした。

2択でいつも間違えます。どう復習しますか?

迷った選択肢の違いを、対象・時点・実施条件のいずれかで説明します。正答の理由だけでなく、もう一方を選ばない理由も確認します。

長文を読むのが遅い場合は?

まず内容理解と読み落としを点検します。そのうえで時間を測り、戻る問題の決め方を練習しましょう。速さだけを優先して本文を飛ばさないことが大切です。

一般問題が苦手でも状況設定を解いてよいですか?

解いて構いません。そこで分からなかった症状や仕組みから基礎へ戻ると、一般問題の知識と結び付きやすくなります。

独学で改善しない場合は?

解答を選んだ過程を説明し、条件の見落としと知識不足のどちらかを確認してもらいます。誤答の番号だけでは原因が見えないことがあります。

まとめ

状況設定問題は1問2点で、合計点に大きく影響します。患者の対象・時点・現在の状態を整理し、設問が求める判断に答えましょう。出題基準が示すように、複数科目の知識を統合して判断する場面として作られているため、迷った理由を記録し、知識不足と条件の読み落としを分けて復習することが大切です。

状況設定問題の考え方を相談したい方へ

迷った問題と、ご自身が選択肢を選んだ理由を整理してご相談ください。看護師講師が、どの条件の読み方でずれたのか、どの基礎に戻るべきかを一緒に確認します。

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参考資料・編集情報

配点・合格基準は第115回の公表値、出題の考え方は出題基準(令和5年版)で確認しています。読み取り例は説明用の架空例です。学習手順・計画・会話例は、本記事で提案する学習方法です。

執筆・編集:Meg看護師国試予備校 講師チーム

監修:岩崎 陽一(株式会社アクト 代表取締役)
医療系国家試験対策の指導に30年以上携わり、Meg看護師国試予備校をはじめとする医療系予備校を運営。マンツーマン指導と学習管理を組み合わせた支援体制づくりに取り組んでいます。

編集・発行:Meg看護師国試予備校(運営:株式会社アクト)/最終更新日:2026年10月21日